信州新町は「竜峡小梅(りゅうきょうこうめ)」の生産が盛んな地域で、「ろうかく梅園」には約1000本の梅が植えられており、毎年3月下旬から4月上旬に見頃を迎えます。
春の温かい日差しに混じって漂う甘い香りが森林浴ならぬ花見浴に最高です。
目次
信州新町「ろうかく梅園花まつり」とは

長野市信州新町の「ろうかく梅園」では、毎年3月下旬~4月上旬に「ろうかく梅園花まつり」が開催されています。
期間中は一般客に梅園が無料開放され、花見と梅の香りを楽しむことができます。
4ヘクタールの土地に「竜狭小梅」と「紅梅」が1000本余り植えられてる他、約30種170本の有名鑑賞梅も植えられています。
「梅」の花見で香りも楽しむ
今でこそ花見と言えば桜を思い浮かべますが、奈良時代の花見と言えば「梅」が一般的でした。
中国から遣唐使によってもたらされた香り立つ「梅」の花は貴族に珍重され、庭園には梅は欠くことができない主役となり、当時の万葉集には梅を詠んだ歌が桜よりも多く残されています。
姿が見えなくともその香りによって存在を知らしめる「梅」は、桜の視覚に訴える華やかさとは異なり、嗅覚に訴える梅は気品が零れ溢れるような美しさがあり、古来より人を魅了しました。
桜が咲く前に梅の花見も楽しんで、春を満喫しましょう。
長野県の特産品「竜狭小梅(りゅうきょうこうめ)」
「竜狭小梅」は南信州(南信)の下伊那地方に自生していた小梅から選抜され、天竜川沿いに多く栽培される小梅で、その名前の由来は天竜川の渓谷「天竜狭」と言われています。
果肉が多くて種が小さい、加工しても実がしっかりと固い特徴があり、主にカリカリ梅として親しまれています。
信州新町もこの竜狭小梅の栽培が盛んで、「ろうかく梅園」に植えられる白い花の梅は「竜狭小梅」です。最盛期には町中に梅の畑が広がり、春先にはかぐわしい香りが漂っていたそうですが、昨今は高齢化や担い手不足で生産量が減少しています。
「道の駅信州新町」では地元産の竜狭小梅のカリカリ梅や梅ワインなどが販売されており、5月~6月頃は収穫された竜狭小梅を購入することもできます。
JA長野県「竜峡小梅じゃないとカリカリ梅はうまくない」
道の駅信州新町「梅(梅漬け・干し梅・梅ワイン・梅酒)」
翡翠色の「ろうかく湖」と「ろうかく梅園」

信州新町の「ろうかく梅園」の魅力は満開の梅と深緑の「ろうかく湖」との共演です。「ろうかく湖」は、東京電力水内ダムによって犀川ダム湖として作られた人工湖です。
湖水の色が「琅玕(ろうかん)」と呼ばれる最高級の翡翠に似ていること、鶴が翼を広げたような形をしていることから、有島生馬画伯が「琅鶴湖(ろうかくこ)」と名付けられました。湖畔にレトロな建物の「有島生馬記念館」もあります。
訪問時は梅は咲き始めたばかりで天気は花曇りと映える写真は撮影できませんでしたが、梅の花の香りを楽しむことができました。
また、山の落葉樹の枝先に新芽が芽吹き、冬のモノクロの山に産毛のようなモコモコした淡い色合いが現れ、それが遠目に雛鳥のように見え春の訪れも感じられてよかったです。
「有島生馬記念館」
有島生馬記念館は、長野県長野市信州新町上条にある博物館。有島生馬の鎌倉の家を長野市信州新町上条に移築して、1982年10月に記念館として開館したもの。
ランチに信州新町の名物「ジンギスカン」
信州新町ではジンギスカンが郷土料理として親しまれ、宴会や祝事などのおもてなし料理としてもふるまわれます。
昭和5年から信州新町では「めん羊」飼育が始まり、昭和11年にジンギスカン料理の講習会で羊肉の美味しさが広まり、昭和26年に町観光協会がジンギスカン料理で来客を持てなしたのがきっかけで評判となったそうです。
町を通る国道19号線は別名「信州新町ジンギスカン街道」とも呼ばれ、「ジンギスカン街道」と書かれた赤いのぼり旗はジンギスカン料理を提供するお店の目印となっています。
おすすめは臭みのない柔らかい肉質の信州新町産サフォークです。是非立ち寄ってみてください。
信州新町ジンギスカン街道
http://shin-machi.com/jingisukanroad/index.html
信州新町「ろうかく梅園」のアクセス
「ろうかく梅園」は花まつり期間のみ一般開放されています。
期間が過ぎた場合、道沿いから楽しむことができます。
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