産後1日目。昼食を済ますと、看護師の方が病室を訪れて「授乳してみますか?」と尋ねてきたので、「やりたいです」と即答。授乳室へ移動し、赤ちゃんの授乳の仕方を教わりました。
初めてのオムツ交換
授乳室へ行くと、奥からベビーベッドに乗った赤ちゃんがやってきました。
持参したタオルが枕代わりに敷かれ、お祝いメッセージと足形が押された色紙、ガーゼハンカチなどが頭の上に置かれてます。
「赤ちゃんに触る前に、手洗いしましょう」
授乳室の隅にある水道でハンドソープをで手を洗い、ハンドペーパーで手を拭いてから、赤ちゃんも元へ戻りました。
「最初にオムツ交換します」
赤ちゃんが着ていたのは、肌着とツーウェイオール。
ツーウェイオールとは、ドレスオール(裾がワンピース)とカバーオール(裾がズボン)に切り替わるベビー服のことです。手足を動かすようになるとカバーオールとして着せるようになりますが、新生児の頃は寝たきりなのでドレスオールで着せることが多いです。
産院でもドレスオールで着せられていたので、服の裾をまくるとオムツが現れました。新しいオムツを取り出して赤ちゃんのオムツの下に置き、赤ちゃんの両足を左手でつかみながら、右手でオムツを脱がします。
初めてのオムツ交換は、おしっことうんちでした。
初めての胎便
初めて見たうんちは、佃煮のりみたいな緑がかった黒っぽいうんち。
驚いていると、
「これが胎便です。産まれて数日はこの胎便が出て、そのうち黄色くなっていくので大丈夫ですよ」
とのこと。
マタニティ学級で聞いてはいたものの実物を見ると驚きます。
おしりふきで拭き取ろうとすると、粘着性があってなかなか取れません。
出産後に支給された入院バックに入っていたタッパーと洗浄綿を取り出し、タッパーにぬるま湯を入れ、洗浄綿を軽く浸して、赤ちゃんのお股とお尻を洗い流すようにしてぬぐうと綺麗にとれました。
「おしりをふくときは、上から下に。尿道などにバイ菌が入らないようにするためです」
仕上げに、上から下に丁寧にぬぐって終了。右手で使い終わったオムツを引き抜いて丸めておきます。お尻が綺麗になったので左手でつかんでいた赤ちゃんの両足をおろし、新しいオムツのギャザーを横漏れしないように伸ばしてから、片足ずつテープで留めていきます。
「赤ちゃんは腹呼吸するので、指2本が入るくらい隙間を残してオムツをテープで留めてください」
指を入れて、オムツの締め具合をチェックし、調整。使用済みのオムツをゴミ箱に捨てて、手洗いし、いよいよ授乳です。
初めての授乳
ベビーベッドから赤ちゃんを抱っこします。小さくて、軽くて、ふにゃふにゃして壊れそうです。赤ちゃんを抱えたまま円座クッションの上にゆっくり座ります。位置が悪いと激痛が走るので、慎重に座ります。三日月状の授乳クッションを渡され、赤ちゃんの下に置きます。
「赤ちゃんの頭の位置を高くするので、ブロックの上に片足を乗せてください」
赤ちゃんの頭側の足の下に10㎝ほどのブロックを置きます。胸を出して、乳首を赤ちゃんにくわえさせます。赤ちゃんがおっぱいに吸い付くと、その吸引力に激痛が走ります。とにかく痛い。痛い。痛い。
「ちょっと失礼」と言って、看護師の方が乳首を深くくわえさせます。乳房から乳首にかけて母乳をしぼるように押してきます。これも痛い。半端なく痛い。左右5分ずつ試したところで終了。母乳はにじむ程度にしか出ていないので、追加で粉ミルクをあげます。
「粉ミルクは、既に冷蔵庫の中に調乳されたミルクが瓶に入ってます。消毒済みの哺乳瓶に10ml入れて、乳首をかぶせ、ポットのお湯で湯煎にかけて温めて飲ませてください」とのこと。言われた通りにミルクを用意し、再度赤ちゃんを抱っこして飲ませます。
ミルクを飲む赤ちゃんがかわいすぎる
赤ちゃんの口に哺乳瓶の乳首をあてた瞬間、握った両手を口元の哺乳瓶に添え、勢いよく飲みはじめました。
とにかく添えてる両手がかわいすぎる。
小さなおててを丸め、猫みたい。
かわいすぎて、悶え死にそうです。
初めてのゲップ、初めての寝かしつけ、初めての添い寝
「ミルクを飲み終えたら、ゲップさせてくださいね」
赤ちゃんを少し前かがみにした状態で右手で支えながら膝の上に座らせて、左手で背中や横腹をさすります。なかなかゲップがでません。根気よく続けると、「グェッ」という音が。なんとかゲップが出ました。
このゲップを出さないまま寝かせてしまうと、寝てる最中にゲップとともにミルクを吐き戻して窒息死することがあるそうです(泣)
赤ちゃんをベビーベッドに戻すと、お腹いっぱいなのかすぐに眠り始めました。寝かしつけは拍子抜けするくらいにあっさりと完了してしまいました。
赤ちゃんを病室に連れていっていいそうなので、そのまま病室へ。添い寝も可能だったので、持ってきたトッポンチーノを枕元に置き、その上に赤ちゃんを乗せて寝顔を眺めながら幸せなひとときを過ごしました。
初めての夜勤(赤ちゃんと夜を過ごすこと)
夕方にシャワーを浴びるタイミングで赤ちゃんを預けると、「今夜はどうしますか? 母子同室してみますか?」と聞かれたので、「母子同室します!」と即答。シャワーを済ませて赤ちゃんを受け取り、その夜は初めての母子同室をしました。
Twitterで初めて知りましたが、夜に赤ちゃんと一緒に寝ることを「夜勤」というそうです。
新生児の場合、3時間置きに授乳しないと脱水を起こす可能性があります。そのため、夜に赤ちゃんと一緒に寝る場合も3時間置きに授乳する必要があります。授乳といっても母乳を飲ませるだけではありません。
授乳の流れ
3時間ごとにスマホのアラームをセットし、起きるたびに以下をします。
- 授乳室へ連れていく
- オムツ交換(3~5分)
- 直母で授乳(片乳5分×2)
- 粉ミルクで授乳(10分)
- ゲップ(1~5分)
- 寝かしつけ(1分~)
- 病室へ戻る
見てわかる通り、授乳すると最低30分はかかります。ミルクを飲んでそのまま赤ちゃんが眠ればいいですが、なかなか眠らずグズることもあります。その場合はやっと寝たと思っても次の授乳時間になることもあります。
そのため、お世話をする母親の寝る時間が1時間に満たないことも珍しくなく、眠りたくて眠れない状態が夜中ずっと続くので、皮肉として「夜勤」と呼ばれています。
初めてのおくるみ
初めての夜勤は最初は順調で、産後ハイな状態で眠気もなく、3時間置きにミルクをあげると赤ちゃんもすぐ寝てしまうので簡単でした。
ところが早朝3時の授乳後は勝手が変わり、愚図って泣いて、全然寝ない状態に。授乳室でずっとあやし、ようやく寝たかと思い、病室へ連れ帰るとまた泣き出す始末。病室が4人部屋で他の方が寝ていることもあり、すぐに廊下へ。授乳室であやしていると、見かねた看護師さんがバスタオルでおくるみをしてくれました。
「こうすると赤ちゃんが安心して寝るんです。抱っこして歩き回るのも胎内を思いだして、寝つき易いですよ」
おくるみされた赤ちゃんを抱っこして、廊下を4~5往復すると、寝息が聞こえてきました。赤ちゃんを連れて病室へ。気づくと2時間ちょっと経過しており、次の授乳時間になっていました…
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