長野県須坂市にある長野県農業試験場・果樹試験場の一般公開が10月11日にあったので子供を連れて行ってきました。芋掘り、果物試食など子供と一緒に楽しめました。
目次
長野県農業試験場・果樹試験場とは
農業試験場では、米や麦を対象とした新品種の育成、栽培の効率化、病害虫対策、気象変動への対応などを試験研究し、経営支援やシステム開発、知的財産の管理なども研究して、地域農業の競争力強化と持続的な発展を科学的にサポートしているそうです。
併設する果樹試験場でも、長野県の特産品のりんごやぶどう、ももなどの果物の新品種の育成などが行われ、ここからオリジナル品種が多数誕生しています。
- りんご
シナノゴールド、シナノスイート、シナノリップ、キルトピンク、シナノピッコロ、シナノホッペ - ぶどう
ナガノパープル、クイーンルージュ - もも
ワッサー、なつっこ - 他
シナノパール(日本すもも)、オータムキュート(プルーン)
農業試験場・果樹試験場の一般公開
一般公開では、2つの試験場で取り組んでいる研究成果等の展示や果樹園めぐり、生産物販売などが行われます。
催し物一覧
- 研究成果と品種の展示
- ミニ講演会
- 農業相談
- 生産物販売
- 試食コーナー
- くだもの釣り
- 果樹園めぐり(クイズラリー)
- 芋掘り体験(小学生まで)
- りんごもぎとり体験(人数制限あり)
- 農大コーナー(りんごジュース試飲)
個人的に品種の展示と果物の試食コーナーが気になりました。子供がりんご好きなのでりんごのもぎ取りやりんごジュース試飲に惹かれて行きました。
県内の試験場は須坂市以外にもあり、それぞれ一般公開があり、高森町の南信農業試験場では梨、塩尻市の畜産試験場では子牛やヒヨコとのふれあい、野菜花き試験場ではそば打ち体験やきのこ収穫体験などがあります。
一般公開当日
初めての訪問だったので曲がる道を間違えたりして、開始時間の9時過ぎに車で到着。
農業試験場の駐車場は既に満車で、隣の中学校の臨時駐車場に車を置きました。
雨が降り出しそうな灰色の雲に覆われた空模様で、風が強かったです。
芋掘り体験(小学生以下のお子様限定)
農業試験場の入口と車道を挟んだ向かいで小学生以下の子供向けに芋掘り体験をしていたので寄りました。
最初に受付でチケットを購入し、奥のテントでチケットを渡して芋掘りしたいさつまいもの品種を選びます。
「どういう料理にして食べますか?」
「レンジで温める…ふかし芋?」
「それならどの品種でも甘いので大丈夫です」
さつまいもの品種は3つから選べて、横文字のかわいい響きの品種(おそらくシルクスイーツ)を選びました。
子供用の軍手を借りて身に着け、さつまいもを入れるカゴと手持ちサイズのスコップを持って畑へ。一定間隔に植えられたさつまいもを1株掘ります。
芋掘り

さつまいもは土から顔を出している状態になっており、スコップで掘ると土がホロホロとこぼれて虫が一目散に逃げていきました。
「わらじむし、いた!だんごむしは丸くなるけど、わらじむしは丸くならないんだよ」と子供が教えてくれました。(しまじろうの教材で学んだ)
農業試験場だけあって手入れの行き届いた柔らかい土だったので、スコップを使わずに手で土を取り除き、さつまいもが半分くらい見えたところで引っ張ることに。
「うんとこしょ、どっこいしょするよ」と言いながら子供がうんうん唸りながら引っ張ります。しかし、さつまいもはびくともせず。
私がさつまいもを茎から切り離し、グラグラさせると土がホロホロとれて抜けやすそうになり、再度子供にひっぱらせると子供の顔ぐらいの大きなさつまいもが収穫できました。
3kg超えの収穫

さつまいもはひとつ掘ると次のさつまいもが顔を出し、次から次へと出てきました。
一つ一つが大きくて、見た目が子供の大好きな「紫ピクミン」に似ているので、「あ、紫ピクミンだ」と言いながら熱心に引っこ抜き、「もうちからがでない」と言うまで子供も頑張りました。
最終的に3kg超えの収穫となり、大当たりの1株を引いたようです。子供の運の強さに拍手と、本当に見事なお手入れに拍手!さつまいも、ありがとうございました。
さつまいもは収穫してすぐに食べるより、しばらく寝かせたほうが甘さが増すので、家に持ち帰って廊下で寝かせています。
りんごのもぎとり体験
1時間に10人という人数制限があり、子供連れでその整理券を手に入れるのは難易度が高かったため諦めました。
須坂市から長野市に向かう途中にあるアップルラインには「りんご狩り」ができる果樹園がいくつもあるので、別の機会にそこで体験しようと思います。
果樹園めぐり(クイズラリー)
農業試験場の入口で配布された紙に。会場の地図と催し物の受付場所が書かれており、一番奥の「果樹園めぐり」から試すことにしました。
クイズは5問(6問?)で、果樹試験場で生産される果物に因んだクイズが出され、専門的すぎる内容ばかりでしたが近くにヒントがあり、なんとか解答。
最後に解答用紙を渡すと、お土産がいただけました。
試食コーナー

試食コーナーでは1人1回、果物8種の食べ比べができました。
農業試験場の入口で配られた用紙を試食コーナーの受付で見せると、試食コーナー欄にチェックが付き、テーブルから1つお皿を受け取ることができます。
簡易的な椅子(収穫用のカゴ?)がいくつも並べられており、そこに座って食べました。食べ比べると味の違いがわかりやすかったです。
りんご
りんごは、秋映は白雪姫に出てきそうな深い赤色の皮が特徴で酸味と甘さが強く、シナノスイートは可憐な桃色の皮と酸味のないスイーツのような甘さ、シナノゴールドは青々とした皮に酸味が強さとあっさりした味わいでした。
ぶどう
ぶどうは、シャインマスカットはひたすら甘く、クイーンルージュはそらより少し控えめな甘さ、ナガノパープルは渋みが隠れる甘さでした。
オータムキュート(プルーン)
変わり種はプルーンとすももで、どちらも長野県のオリジナル品種で、私は食べるのが初めてです。
オータムキュートは甘みがあり、プラムみたいな食感で、プルーンに苦手意識がある私も美味しくいただきました。
シナノパール(日本すもも)
シナノパールはソルダムとかけ合わせた品種で、大玉のものは「麗玉(れいぎょく)」というブランド名で呼ばれます。
ソルダムは緑を帯びた皮と赤い果肉のすももで、適度な酸味と甘さがあり、桃のように柔らかくなく、ジューシーな食感で、個人的に好きな果物のひとつです。
シナノパールは見た目は白を帯びた黄色い皮(まさに真珠の輝き)と黄桃のように黄色い果肉で、食べると食感はソルダムそのもので、味は酸味が抑制された甘さ。すごくおいしい。
生産物販売
シナノパールがおいしかったので、試食を済ませたあと生産物販売コーナーに行くと既に売り切れ…。
せっかくなので、まだ残っていたシャインマスカットとクイーンルージュをひとつずつ購入しました。
お米も完売しており、生産物販売は真っ先に足を運ぶ!という教訓を得ました。
くだもの釣り
ビニールプールの中にビニール袋に入った果物を釣り竿の先端に引っ掛けて取る催し物です。
行列に並んで待ちます。
ここも1人1回なので、農業試験場の入口で配られた用紙を受付で渡すと「くだもの釣り」欄にチェックが付き、釣り竿を渡されます。
ビニールプールは反時計回りにぐるぐると水が巡回するため、ビニール袋に入った果物もぐるぐる回っています。
果物以外に水風船もあり、子供は水風船を手に入れました。釣り竿で引っ掛けるのは中々難しく、童心に返って子供と一緒に楽しめました。
りんごジュースの試飲
農業大学で生産されたりんごを使った5種類のりんごジュースを試飲しました。
- シナノスイート
- シナノゴールド
- グラニースミス
- ふじ
- 秋映
飲み比べてみると味の違いがありました。
シナノスイートは甘く、ふじは濃い甘さ、秋映は甘さと酸味があり、シナノゴールドは甘酸っぱく、グラニースミスはすっぱい…
グラニースミスはオーストラリア原産の酸味の強い黄緑色の青りんごで、秋映と同等の甘さ(糖度12)でありながら、秋映(酸度0.31)の倍以上の酸味(酸度0.79)があります。
イソップ物語の「すっぱいぶどう」はキツネが山で見つけた手の届かないぶどうに「すっぱいにちがいない」と決めつけて手に入れるのを諦めた話ですが、そのキツネが想像した味がこのジュースの味かもしれないとふと思いました。
試飲コーナーは長い行列ができており、待ってる間に隣の農業相談へ何人かが入っていくのを見て、専門家に直接相談できるのは貴重なんだろうなとも思いました。
初めての長野県農業試験場・果樹試験場の一般公開は子供と一緒に楽しめて良かったです。機会があれば是非行ってみてください。